熊野川をはさんで、三重県との県境に位置する新宮。新宮という地名は熊野本宮に対してではなく、神倉山の神を速玉神社に移したことから「新しい宮」からおこった。
2003年8月お盆の途中下車・新宮
2003年8月16日:那智勝浦の夜明けと夜景
熊野速玉大社
本宮、那智とともに熊野三山の一つ。速玉大神が主神、現在の社殿は昭和の再建。
浮島の森
島全体が浮いている不思議な森、増水すると浮き上がってくるという。写真中央は寒帯性のオオミズゴケ、右は高地性シダ。海抜4mの浮島に寒暖両性の植物の混生群落があり、しかも浮いている。
神倉山
千穂ケ峰の南端、538段の急峻な石段を登ると大きな「ごとびき岩」がある。この巨石が古くからのご神体で、古代の神の依代、磐座(いわくら)である。祭神は高倉下命(タカクラジ)、神武天皇がこの地に上陸したときの首長で、神武天皇と軍隊が熊の毒気に当たって昏睡状態に陥ってしまう。その時、熊野の首長の高倉下が一振り剣を天皇に奉ると天皇は失神から目覚め、剣を受け取り熊野の山に住む荒ぶる神を切り倒し、ヤタガラスの案内で奈良に攻め上った。奉った剣は石上神宮の祭神になっている。
この急峻な石段を見よ。急勾配で不揃いな高さ、幅の石組み、下りは杖がなければ目がくらむ。四つんばいになって降りる人が多い。毎年2月6日の夜に2000人の若者が松明を片手に駆け下りる、1400年の歴史を誇る「お燈祭り」が行われる。新宮節に「山は火の滝、下り龍」と歌われる。