柳田国男の「遠野物語」で知られる遠野は、早池峰(はやちね)信仰を基本とした伝説が多く残っている。遠野盆地は気仙、下閉伊、江刺、稗貫に通じる交通の要所で、馬の生産地でも知られる。「遠野物語」には、おしらさま、かっぱ、ざしきわらし、天狗、雪女、お婆捨て伝説など418題が収録されている。
遠野散歩
2003年4月29日遠野・千葉家曲屋:200年前の南部曲屋。昔は家族25人、作男15人、馬20頭が同じ屋根の下で生活した。現在も生活に使用されている。なんとも凄まじいが、当時は普通のことで、作男などは子飼いの農奴で、当主以外の兄弟もすべて働き手として離せなかったのであろう。貧しい東北はつい50年前まで続いた。
続石:遠野物語弟91話にでてくる巨石遺構。山道をかなり登ります。巨石信仰は人類の基本を実感。有り様が不自然なため古代人の墳墓かもしれない。他に「泣き石」「不動岩」がある。
伝承園:遠野の農家の生活を再現・展示してある。柳田国男に話を聞かせた佐々木喜善に関する資料館もあります。
おしらさま」:遠野物語は決してロマンティックな伝説ばかりではない。「おしらさま」は馬と娘の悲恋ホラーから由来します。お蚕さんの神様で、眼病、火難除けの神様でもある。四畳半の壁が人形で埋まる光景は異様である。
早池峰古参道跡:北上山地の標高1917mの最高峰。平安時代からの修験の山。風雪に耐えた鳥居が残っている。