羽黒山、月山、湯殿山を合わせて出羽三山という。いずれも修験の山である。わが国に現存する即身仏の多くは庄内平野を擁するこの地に点在する。弘法大師の最初の開山地・湯殿山信仰により穀物絶ちの修行の末、行きながら仏になる即身仏の思想は、苦行により他人の苦しみを受け持ち、仏になって世を救済するという大師入定信仰に発する。残念ながら即身仏は撮影禁止でした。
出羽三山に即身仏を見る
2003年4月24日:山形から月山ICで降り、注連寺へ向かう。寺は雪囲いのままで絵にならず。月山スキー場は4月からオープンらしい。雪の深いところである。境内の七五三(しめ)さくらは残念ながらまだ咲いていない。
注連寺は森敦の小説「月山」に登場する寺で、鉄門海上人の即身仏が祀られている。
鉄門海上人は徳川十代家治の世に鶴岡に生まれ、25歳の時、武士を切り殺し注連寺に逃げ込み、第69代寛能和尚に匿われ、厳しい修行に励み得度し本明寺(旭村)や海向寺(酒田)を再興し、眼病が流行していた江戸で、自らの眼球をえぐり川に投じ、竜神に眼病退散を祈願したことから恵眼院鉄海門上人と呼ばれた。また、難所だった街道を改修するなど湯殿山の名を広めた。1829年62歳の時、本堂において信者の見守る中、入定した。
大日坊:湯殿山は伊勢・熊野と並ぶ霊場であり、ご神体は「云わず語らず」の戒律で守られている。女人禁制だった頃に女性の参拝を許した寺であった。残念ながら雪が深く未だ開山されていませんでした。
大日坊は大同二年弘法大師の開基である。間口四十二間を誇った本堂も明治の廃仏毀釈を拒否したため、堂は潰され和尚は殺された。仁王門には運慶作の像があり、世継ぎにからみ春日局が参拝したことから祈願所として優遇された。
即身仏は92歳で入定した真如海上人が祀られている。
TVでおなじみバンジージャンプの朝日村。道の駅があり大梵字そばをいただきました。「蕎麦はまだ 花でもてなす 山路かな」芭蕉。そばは五穀に入らず、五穀絶ちの修行で知られる山岳宗教の聖地である出羽三山を擁する庄内地方には大いに受け入れられたはず。朝日村産そば粉を100%使用した十割そばは香りもよく喉越も爽快。
羽黒山
戻る