熱田前新田は1800年(寛政12年)熱田奉行 津金文左衛門の進言によって開拓されたものの、直接の藩の出資工事ではなく、資金調達者は、藩に対する一般的債権者として扱われた。工事については、特に築留工事が困難を極め、これだけで7千両を要したといわれる。
善進神明社とお地蔵様
祭神は天照大神。熱田前新田が完成した翌年の享和2年(1802)9月2日、村の氏神として勧請した。例年、秋の大祭には善進町真影流棒の手が奉納される。
荒子川緑地
二名社
祭神は天照大神・日本武尊。安政6年(1859)2月15日勧請した。昔は善進町の神明社と一つになっていたが、土地を中ノ割、社を西ノ割というように分けた。
高松寺
曹洞宗。当寺には、熱田前新田の開拓に従事した人々を供養した「縁記塚」がある。
如意寺
曹洞宗。熱田前新田完成後、「辻の観音」といい、本尊に聖観音を奉安したのが当寺の始まりである。昭和8年頃、「大名古屋八十八か所霊場」の第61番札所となり、「本命弘法」と称した。
龍神社
祭神は綿津見命。享和元年(1801)、熱田前新田が完成したおりに、海神の心を慰めるために建立された最初の神社で、「元の宮」といわれた。 灯ろうに施された龍のレリーフは見事である。
浄専寺
真宗大谷派。当寺には、昭和27年5月、中区大光院で発掘され、飛島村長昌院で荼毘(だび)に付された津金文左衛門胤臣の分骨が納められている。また、山田秋衛作の津金文左衛門胤臣の肖像画も所蔵されている。

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