地名「猪子石」の由来は、猪の形をしたユニークな牡牝の石。 そのおおらかな姿がとてもユーモラスです。鎮守の面影を今に残す和示良(かにら・わにら)神社から、伝統行事「おまんと」や「棒の手」の資料館を持つ神明社、月心寺がある。
猪子石
 猪子石村には、大昔から猪が寝ているような形をした大きな石がふたつあった。そのうちの一つは香流川の南にあり、小さな石がいくつもくっついていて、まるで子どものようだったので、牝石と呼ばれていた。ある日、どういうわけかお産がみんな難産だという村の一人の出産間近の女性がやってきてこの石のように多産な猪にあやかろうと猪子石に祈願した。すると無事に出産を終えることができたので、その事が評判になり、みんな出産が近づくとこの石の所にやってきて安産を祈願するようになった。やがてこの石の前に鳥居を建てられ、神社として敬われるようになった。これが現在の大石神社である。
猪子石「牡石(おいし)」(猪子石神社)この石に触るとたたりがあるといわれています。
猪子石「牝石(めいし)」(大石神社)
 猪の形をした石に小石が付着して「子持石」といわれたことから、安産の神として敬われています。

猪子石神明社
猪子石の鎮守で10月10日の例祭と秋分の日には子供相撲が奉納される。
月心寺
猪子石城趾で、山門が見事です。墓地内には区画整理で回収されたお地蔵さまや馬頭観音が安置されている。

貴船神社(西一社)
 柴田勝重の居城の一色城趾である。この辺りは、かって農耕地で、水に困る事が多く、雨の神が各地に祀られている。

和示良(かにら)神社
 延喜式神明帳の尾張国山田郡の和尓良神社は春日井市牛山町のことで創建には諸説がある。正式には和爾良(わにら)であり、大和朝廷の文章博士・和珥(わに)氏の荘園であった可能性が高い。一族に柿本人麻呂がいる。狛犬に古式が見られ秀逸である。


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