映画の仕事





2001年夏に2ヶ月半の間、映画撮影の通訳をした。オール韓国ロケの日本映画。
スタッフは日本人韓国人半々くらい。仕事に対する考え方やスタイルの差、文化の差、
言葉が違うという事、通訳の役割、自分の限界。色んな事を考えさせられた仕事だった。
初めて体験する映画の仕事、初めて見る機材、初めて聞く用語、初めて会う人・・・
そんな「初めて」が多くてとっても楽しかった記憶と体力的にも精神的にもとても辛かった記憶。
両方が同じくらいの「濃い」仕事だった。その「濃さ」の分だけ、後に残った物は大きかった。



私の担当は撮影部。
カメラの名前、撮り方の名前など、
専門用語を覚える事から仕事は始まった。
撮影現場。ある工業団地にて。
手前に見えてるレールを扱うチームも
私の担当。撮影に必要なクレーン、レール等を
扱う特機部。チームごとにカラーがある。


録音部のブームマンI君。
製作部、撮影部、照明部、録音部、
特機部、演出部、美術部、小道具部、
そして通訳部・・・。それぞれのチームが
うまく連携して撮影を進めていかなければ
いけない。通訳部の役割は大きい。
アクションチーム。
はい、むっちゃかっちょいいです。
主役の俳優さんにアクション指導を
してる時の無駄のない動きには
ホレました。ぽっ(*^^*)


特殊効果チームはその名も「デモリション」。
爆発シーンや銃を使ったシーンの担当です。
韓国映画の特殊効果の多くを手がけている
やり手のチーム。爆発シーンは緊張感溢れる
撮影でした。アクション映画ならではの
貴重な体験でした。人ぶっ飛んでるし(笑)。
クライマックス場面。現金輸送車爆発。
この写真のどこかにゆこがいます。
多分見えないけど。エキストラってのを
初体験しました。この場面の撮影は1週間。
「つながり」があるので同じ服同じ髪型1週間。
毎日宿舎に戻って服を洗って乾かすのが
大変でした。毎日生乾き状態(涙)。



映画の仕事ってのは、本当に好きじゃなきゃ出来ない仕事だと思う。
ありがちだけど「映画作るのってほんっとに大変だなぁ」
ってのがこの仕事をしてみて思った正直な感想。朝まで撮影なんてのも
ざらで、炎天下での撮影もしんどいし、スタッフのいざこざは絶えないし…
でも、そんな風にして撮影した映画が出来上がって、実際に
映画館で試写会を見た時、映画の仕事にハマル理由が少し分かる気がした。
あの感覚は言葉では表せない。これからもずっとこの仕事をしていくスタッフたち。
今でも連絡を続けているスタッフの人がいるというのも
私にとって大きな財産。これからも体に気をつけてがんばってほしい。